○紀美野町火災調査規程
平成22年3月25日
消防本部訓令第1号
目次
第1章 総則
第1節 通則(第1条―第7条)
第2節 調査の体制(第8条・第9条)
第3節 調査上の心構え(第10条―第15条)
第4節 異常発熱器具等の調査(第16条)
第2章 調査要領
第1節 通則(第17条―第19条)
第2節 火災出動時の調査(第20条―第22条)
第3節 現場保存(第23条―第26条)
第4節 鎮火後の調査(第27条―第32条)
第5節 質問(第33条―第39条)
第6節 立証のための調査(第40条・第41条)
第7節 照会及び資料提出(第42条―第44条)
第8節 資料の保全(第45条・第46条)
第9節 児童に対する取扱いの特例(第47条―第53条)
第3章 原因の認定(第54条―第56条)
第4章 損害の認定(第57条―第60条)
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則(第61条―第64条)
第2節 火災調査報告書(第65条)
第3節 報告(第66条―第74条)
第6章 調査結果の活用(第75条―第77条)
第7章 り災の証明(第78条・第79条)
第8章 震災時の火災調査(第80条―第84条)
第9章 雑則(第85条―第90条)
附則
第1章 総則
第1節 通則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章に規定する火災の調査(以下「調査」という。)に関し、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、すべての火災の原因及び損害並びに関係者の行動等を明らかにすることにより火災予防施策及び警防対策に必要な基礎資料等消防行政を推進するためのあらゆる情報の収集を図り、もって町民生活の安全を確保することを目的とする。
(用語の定義)
第3条 火災とは、人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生若しくは拡大した爆発現象をいう。
2 この規程における用語は、法、火災報告取扱要領(平成6年4月21日 消防災第100号消防庁長官)その他関係法令において使用する用語の例による。
(火災件数)
第4条 火災の件数は、原則として、1つの出火点から拡大したもので、出火に始まり鎮火するまでを1とする。
(火災の種別)
第5条 火災の種別は、次の各号に区分するものとする。
(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災
(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災
(3) 車両火災 自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災
(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災
(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災
(6) その他の火災 前各号に該当しない火災
2 前項各号火災が複合するときは、焼き損害額の大なるものの種別による。ただし、その様態により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。
3 署長は、前項ただし書を適用しようとするときは、消防長にその旨を協議しなければならない。
(統計外の火災)
第6条 火災発生後1週間(168時間)を経過して覚知したものを統計外火災として別に区分する。
(調査の区分)
第7条 調査は、原因調査及び損害調査に区分する。
2 原因調査は、次の各号に掲げる事項について究明するために行うものとする。
(1) 出火原因 出火箇所、発火源、経過及び着火物
(2) 火災の性状 煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大の要因
(3) 火災初期の対応 発見状況、通報状況及び消火状況その他火災発生から避難し、又は死傷するまでの間における関係のある者の行動等
(4) 避難状況 火災現場における避難者、要救助者の行動及び救出救助状況等
(5) 消防用設備等使用状況 消火設備、警報設備及び避難設備等の作動及び使用状況
(6) その他消防行政上必要な事項
3 損害調査は、次の各号に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。
(1) 焼き損害 火災によって焼けた物及び熱によって破損した物等の損害
(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害
(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた物等の損害であって焼き損害及び消火損害以外のもの
(4) その他の損害 煙又は物品の搬出によって受けた物等の損害及び避難行動により受けた損害
(5) 死傷者 火災に起因して生じた死者及び負傷者の数、負傷程度及び発生状況
(6) その他人的被害状況 り災世帯数及びり災程度並びにり災人員等
第2節 調査の体制
(調査の責任)
第8条 消防署長(以下「署長」という。)は管轄地域内で発生した火災の調査を行う責任を有するものとする。
2 前項の場合において、署長は、調査に従事する職員(以下「調査員」という。)を指名し、調査を行わせるものとする。
3 署長は、調査資機材を整備し、及び調査能力の向上に努める等、調査体制の確立を図るとともに、常に調査の進捗状況を把握し、適切な事務執行により火災調査報告書の作成に努めるものとする。
(調査本部)
第9条 消防長は、消防行政上特に必要があると認める火災については調査本部を設置するものとする。この場合においては、第8条第1項の規定にかかわらず消防長が調査責任を有する。
2 調査本部の組織、任務分担等はその都度消防長が定めるものとする。
第3節 調査上の心構え
(常時の心得)
第10条 調査員は、常に火災の現象、関係法令、社会の動向その他調査に必要な知識を修得し、調査技術を研究し調査能力の向上に努めなければならない。
(調査時の心得)
第11条 調査を行うにあたっては、次の各号に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 発生した火災から類以火災の予防を主眼とした調査活動
(2) 消防行政のために必要な情報を収集する調査活動
(3) 調査を実施する責務を有する機関として捜査機関及び行政機関との信頼関係を維持するとともに、業界及び業者等に指導し、連携することにより町民生活の安全を確保するための調査活動
(法令の遵守)
第12条 調査員は、消防法その他関係法令を遵守し、個人の自由及び権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(調査情報の管理)
第13条 消防長又は署長は、現場見分又は質問により得られた調査情報及び調査結果から作成された文章等の適切な管理に配慮するものとする。
(民事不介入)
第14条 調査員は、その職務を利用して関係者の民事的紛争に関与してはならない。
(関係機関との協力)
第15条 調査員は、警察署その他関係機関の職員と緊密な連絡を保ち相互に協力して調査にあたらなければならない。
第4節 異常発熱器具等の調査
(異常発熱・人命危険器具等の調査)
第16条 署長は、次の各号に該当する機器で、災害出動時に火災に至らない事案であるが、継続して使用すれば火災に至るおそれがあるものを認知した場合は、調査を行うものとする。
(1) 電気用品
(2) 燃焼機器
2 署長は、救急出動等で次の各号に該当する事案を覚知した場合は、調査を行うものとする。
(1) 燃焼器具の不完全燃焼等によって一酸化炭素中毒を起こした場合
(2) 玩具用煙火の不良事故(火災を除く。)によって熱傷を負った場合
第2章 調査要領
第1節 通則
(調査の原則)
第17条 調査を行うにあたっては、常に事実の確認を主眼として、先入観にとらわれることなく科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。
(調査の時期)
第18条 調査は、火災の覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行わなければならない。
(調査の方法)
第19条 調査は、見分、質問、関係者に対する資料の提出命令若しくは報告の聴取、鑑定又は実験その他の方法により行う。
第2節 火災出動時の調査
(火災状況の見分)
第20条 消防活動に従事する職員(以下「消防隊員」という。)が火災現場に出動したときは、直ちに火災の状況を見分しなければならない。
2 調査員は、出動途上及び現場において関係者等への聞き込み及び現場の状況から発見、通報、初期消火、火気管理、避難、死傷者及び消防対象物のり災状況並びに消防用設備等の使用及び作動状況等を把握し、事後の調査に活用させるよう配慮しなければならない。
2 前項の火災状況見分書には、必要に応じ、図画、写真等を添付するものとする。
(聞き込み調査)
第22条 消防隊員等は、火災の早期発見者その他の関係のある者に迅速かつ的確に聞き込み調査を行い必要な情報の収集に努めなければならない。
2 消防隊員等は、現場等で聞き込み調査により知り得た事項については、必要事項を記録し、帰署後、現場聞き込み調書(様式第2号)を作成するものとする。
第3節 現場保存
(防ぎょ中の現場保存)
第23条 消防隊員等は、出火場所付近の迅速な消火を心がけ、出火前の状態が推測できるよう原状の保存に努めなければならない。
2 防ぎょ活動のため、やむを得ず出火場所付近の物件を移動又は破壊しようとするときは事後の調査の支障とならないよう配慮するとともに、原状がわかるよう必要な処置をとらなければならない。
(鎮火後の現場保存)
第24条 署長は、次の各号により、警察機関その他の関係機関と協力し、鎮火後の現場を保存しなければならない。
(1) 現場保存区域は、警察機関等と協議して決定すること。
(2) 現場保存区域は、必要最小限度の範囲にとどめること。
(3) 現場保存区域は、網張り又は張札等で表示すること。また、保存にあたっては必要に応じブルーシート等で目隠しを行うこと。
2 現場保存区域には、関係者であってもみだりに出入りさせてはならない。
3 現場保存区域は、調査の進行に伴い、順次縮小解除するものとする。
(原状の変更)
第25条 現場最高指揮者は、現場見分を行う以前にやむを得ず現場の原状を変更するときは写真、見取図、記録その他の方法により原状を明らかにするよう処置しなければならない。
(死者の取扱い)
第26条 消防隊員等は、現場において死者を発見したときは、速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた現場最高指揮者は、警察官等に通報するとともに必要な措置を講じなければならない。
第4節 鎮火後の調査
(現場調査の原則)
第27条 調査員は、火災現場その他関係のある場所に立ち入り詳細に見分し、及び質問し証拠資料の発見収集に努めなければならない。
2 調査指揮者は、現場調査にあたって、あらかじめ開始日時等を関係者等に通知し、行うものとする。
3 調査員は、現場調査時に周囲の状況に注意し、個人情報や個人の供述等の漏えいに十分配慮しなければならない。
4 現場調査を行うにあたっては、建物構造、建築設備並びに火気使用設備及び機器等の構造、機能及び材質等に着目するとともに、製造、施工及び保守管理の状況についても調査するものとする。
(立会人)
第28条 現場見分は、努めて関係者の立会いのもとにこれを行わなければならない。
2 前項により、現場の立会いを求めた場合は、安全管理及び言動等に配慮しなければならない。
(現場発掘)
第29条 現場発掘は、現場見分状況及び火災出動時の見分状況並びに関係者等の供述を総合的に判断して出火範囲を限定し、実施するものとする。
2 現場発掘は、出火範囲として限定した区域を周囲から出火箇所付近と推定される核心部に向かって順次実施するものとする。
3 現場発掘は、立会人の供述に基づく物品配置等に留意し、物件等の原状確保に配慮しなければならない。
4 現場発掘は、原状を復元する観点に立って行うものとする。
(実況見分書)
第30条 現場見分を実施した調査員は、実況見分書(様式第3号)を作成しなければならない。ただし、第55条第1項第1号に定める火災以外の火災については、実況見分書に代えて現場見分書(様式第4号)を作成するものとする。
(図面及び写真)
第31条 調査員は、現場見分内容を明確にするため図面及び写真により記録しなければならない。
2 図面は、現場図面用紙(様式第5号)を用いるものとする。
3 写真は、現場写真用紙(様式第6号―様式第8号)を用いるものとする。
5 写真撮影用カメラは、35ミリメートルフィルムカメラ又はデジタルカメラを用いるものとする。
(現場調査終了時の措置)
第32条 調査指揮者は、現場調査を終了したときは、関係者に終了した旨を通知するものとする。
第5節 質問
(質問)
第33条 調査員は、火災の原因究明及び損害の把握のため、火元責任者、火気取扱者その他関係のある者に対し質問を行い、事実の確認を行わなければならない。
(任意供述の確保)
第34条 調査員は、質問を行うときは、強制的手段を避け、場所・時間等を考慮し、被質問者の供述を得るように努め、みだりにその供述を誘導してはならない。
(伝聞の排除)
第35条 調査員は、伝聞による供述を排除し、事実の供述を得るよう努めなければならない。
(質問調書)
第36条 調査員は、質問調書(様式第9号)に被質問者の供述を正確に録取しなければならない。ただし、火災早期発見者、消火協力者等出火に直接関係のないものについては、現場聞き込み調書でこれに代えることができる。
(署名)
第37条 調査員は、被質問者の供述を録取したときは、その内容を被質問者に閲覧又は読み聞かせ、修正の機会を与えたのち供述者の署名を求めるものとする。
2 前項の供述者が署名することができないとき又は被質問者が署名を拒否したときは、調査員がその旨を記載しておかなければならない。
(通訳人の介助)
第38条 調査員は、通訳人の介助を得て質問したときは、通訳人を介してその内容を閲覧又は読み聞かせその旨を記載するとともに、供述者及び通訳人の署名を求めるものとする。
(被疑者の質問及び押収物件の調査)
第39条 署長は、警察署に留置されている放火又は失火の犯罪の被疑者に対し質問をし、又は押収された証拠物件を調査するときは、質問、証拠物件調査要請書(様式第10号)により請求するものとする。
3 直接被疑者に対して質問することができない場合は、事件を担当する警察官を介して被疑者の供述内容を照会するものとする。この場合において、警察官から聞き込んだ被疑者の供述内容を供述内容調査書(様式第11号)に記載するものとする。
第6節 立証のための調査
(立証のための調査)
第40条 署長は、現場調査において焼損物件等の見分が困難な場合は、場所及び日時を明確にして詳細な見分、鑑定又は実験等(以下「立証のための調査」という。)を行うものとする。
(鑑定及び実験の依頼)
第41条 消防長又は署長は、特に必要があると認めたときは、学識経験者又は関係官公署に対し、鑑定又は実験を依頼するものとする。
第7節 照会及び資料提出
(官公署への照会)
第42条 署長は、法第32条第2項に基づき官公署に対し調査に関する事項の通報を求める場合は、火災調査事項照会書(様式第12号)により行うものとする。
(物件等資料の提出)
第43条 署長は、現場において立証のための調査が必要と認める場合は、関係者に物件等の任意提出を求めるものとする。
第8節 資料の保全
(資料の保全)
第45条 署長は、資料の保管にあたっては、資料の証拠価値をき損しないよう細心の注意をはらい慎重に保全しなければならない。
(保管品の管理)
第46条 署長は、資料を保管する場合は、資料保管台帳(様式第15号)に記載し、調査が終了するまで保存しなければならない。
第9節 児童に対する取扱いの特例
(準拠)
第47条 児童に対する調査はこの節に規定するものとする。
2 前項の児童とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する満18歳に満たない者をいう。
(調査員の心得)
第48条 調査員は、児童に対する調査にあたっては、児童の特性をよく理解し、言動に注意しその心情を傷つけないように努めなければならない。
(関係機関との連絡)
第49条 調査員は、児童に対する調査を行うにあたって必要があるときは、警察署、児童相談所、学校その他関係機関との連絡を密にして行わなければならない。
(保護者の立会い)
第50条 調査員は、児童に質問し、又は現場見分時の立会人とする場合は、保護者、教師、保護司等の立会いのもとにおいて行わなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、児童の年齢、職業、家庭環境その他の事情を考慮して支障がないと認める場合又は事実が得られないと判断される場合は、一般の例によりこれを行うことができる。
(署名押印)
第51条 児童の質問調書には、立会いする保護者、教師、保護司等の署名を求めるものとする。
(氏名等の公表禁止)
第52条 児童の失火又は放火による火災について、町民又は報道機関等に発表する場合は、氏名、年齢及び住所等本人を推知できるような情報を漏らしてはならない。
(心神喪失者等の準用)
第53条 心神喪失者、心神耗弱者又はろうあ者等の関係する調査は、この節の規定を準用する。
第3章 原因の認定
(原因の認定)
第54条 出火原因のうち出火箇所及び出火部位の判定は、火災状況見分、現場見分その他の現場調査の結果に基づき、現場調査終了時に行うものとする。
2 前項に掲げる以外の出火原因その他の認定は、火災状況見分及び現場見分、質問並びに鑑定及び実験その他関係資料を総合的かつ科学的に検討し、事実のみに基づいて行わなければならない。
(1) 次に掲げる火災 火災原因認定書1(様式第17号)
ア 焼損面積が30平方メートル以上の建物火災
イ 複数の死者の発生した建物火災
ウ 建物火災以外の火災で3名以上の焼死者が発生した火災
エ 上記以外の火災で消防長が特に指定した火災
2 火災原因認定書の作成にあたっては、次のことに留意しなければならない。
(1) 総合的結論と原因認定の経過を系統立てて明確に記載し、それぞれの事実を立証する資料を明示すること。
(2) 火災原因の記載にとどまらず、火災の拡大状況や消防隊の活動等消防行政上必要な事実についても記載するものとする。
(建物火災調査書)
第56条 建物火災においては、火災時の人の行動、建物の状況及び防火管理に関する状況等出火原因以外の人的・物的調査事項の調査結果について、建物火災調査書(様式第19号)を作成するものとする。
2 建物火災調査書は、現場出動時及び現場調査時における見分状況、関係者の供述並びに防火管理体制を示す台帳等を参考にするものとする。
3 建物火災調査書は、必要に応じ、図面、写真等を添付するものとする。
第4章 損害の認定
(損害の認定)
第57条 署長は、調査により把握したり災物件及び火災損害届を総合的に検討し、損害を認定しなければならない。
2 署長は、現場調査が終了すれば、り災程度を把握するとともに、速やかに損害額の算定を行い、損害額の早期認定に努めなければならない。なお、火災損害届未提出等の理由により損害額の確定がし難いと判断される場合は、提出の催促等、速やかに対処しなければならない。
3 り災物件の損害額は、り災した時点における時価又は原価により算出する。
4 損害の査定は、原則として損害査定書(様式第20号―様式第24号)を用いるものとする。
(損害調査書)
第58条 署長は、損害額その他の物的損害及び人的損害を認定したときは、損害調査書(様式第25号)を作成しなければならない。
(火災損害届)
第59条 署長は、調査上必要があるときは、り災者その他関係者に次の各号により火災損害届の提出を求めるものとする。
(1) 火災損害届(不動産、動産用) (様式第26号)
(2) 火災損害届(動産用) (様式第27号)
(3) 火災損害届(車両、船舶、航空機、林野、その他) (様式第28号)
(死傷者の調査)
第60条 署長は、火災に起因して死傷者が発生したときは、その状況を調査し、死傷者の発生した理由やその要因、問題点及び教訓等を抽出し、消防行政に反映させなければならない。
第5章 調査書類の作成及び報告
第1節 通則
(書類作成上の原則)
第61条 調査書類(以下「書類」という。)の作成にあたっては、わかりやすく、やさしい文章で事実をありのままに表現するように努めなくてはならない。
2 OA機器等を用いて書類を作成する場合は、各様式の記載枠内の罫線を省略することでできるものとする。
(継続紙)
第62条 この訓令で定める様式において、継続して追加記入を必要とする場合又は別紙として記入を必要とする場合は、継続紙(様式第31号)を用いるものとする。
(署名)
第63条 書類には、原則として作成年月日、作成者の所属、階級、氏名を記載しなければならない。ただし、関係者から提出された書類については、この限りでない。
2 書類には、各葉ごとに作成者の契印をしなければならない。
(文字の加除訂正)
第64条 書類の文字の訂正又は添削は、次の各号による。
(1) 文字を削除するときは、誤り又は余分な文字を黒又は青の横2線で抹消しその箇所に押印し、行の右欄外に「何字削除」と記入すること。
(2) 文字の挿入は、脱字が短いときは脱字の下に「∧」記号を入れ、脱字が長いときは、脱字の上に「∨」記号を入れて必要な文字をその上に挿入し、右欄外に「何字挿入」と記入すること。
(3) 文字を訂正するときは、誤字を黒又は青2線で抹消し、その上に正しい文字を記入し、行の右欄外に「何字訂正」と記入すること。
第2節 火災調査報告書
(火災調査報告書)
第65条 署長は、調査を完了したときは、火災調査報告書(様式第32号)を作成し、消防長に報告しなければならない。
2 前項の火災調査報告書には、次の書類を添付するものとする。
(1) 建物火災調査書(建物火災の場合)又は火災調査書(建物火災以外の火災)
(2) 火災原因認定書(第55条第1項各号に掲げる火災のみ)
(3) 実況見分書(火災原因認定書1を作成する場合のみ)又は現場見分書(火災原因認定書1を作成する場合以外)
(4) 現場図面
(5) 現場写真
(6) 火災状況見分書
(7) 質問調書(現場聞き込み調書を含む)
(8) その他原因調査上必要な書類(回答文書等)
(9) 損害調査書
(10) 損害査定書
(11) 火災損害届
(12) その他損害調査上の参考資料
4 火災調査報告書の作成にあたっては、調査指揮者を中心に調査漏れ等の不備がないか適宜調査結果を検討し、正確な調査結果の充実に努めるなど調査事務の能率向上に努めるものとする。
第3節 報告
(火災調査即報)
第66条 消防長は、火災時における防火管理状況等から特に必要があると認めるときは、第56条に規定する建物火災調査書に掲げる事項の報告を命ずることができる。
(火災報告オンラインシステムの入力)
第67条 署長は、現場調査の終了後、速やかに調査結果の集約を行い、火災を覚知した翌月の30日までに火災報告オンラインシステムに入力しなければならない。
2 前項に掲げる期日後に内容の変更の必要が生じた場合は、あらかじめ本部警防課に連絡した後に再入力するものとする。
(火災報告)
第68条 消防長は、火災報告等オンライン処理システムによって、県が指定する期日までに県へ報告しなければならない。
(死傷者の報告)
第69条 署長は、第60条に基づき火災による死傷者の調査を実施したときは、その結果を火災報告オンラインシステムに入力し、消防長に報告しなければならない。
(異常発熱・人命危険器具等の調査書の作成)
第70条 署長は、第16条各項に基づき異常発熱・人命危険器具等の調査を行った場合は、「異常発熱・人命危険器具等の調査書(様式第35号)」を作成し、消防長に報告するものとする。
2 次に掲げる事案については、事故の概要を速やかに本部警防課長に連絡するとともに、調査結果の概要を原則として事案覚知から1ヶ月以内に消防長に報告しなければならない。
(1) 器具等の故障又は構造・機構等の不良により、異常発熱又は人命危険が発生し、又はそのおそれがあるもの
(2) 器具等は正常であるが、誤った使用方法によって人命危険が発生し、又はそのおそれがあるもの
(火災調査報告書の報告期限)
第71条 第65条の報告は、火災の覚知の日から起算して120日以内に報告しなければならない。ただし、第55条第1項第1号に該当する火災は180日以内、第65条第3項に基づく簡略方式は、30日以内とする。
2 署長は、前項に定める報告期限内に報告することができない場合は、あらかじめ消防長に理由を付した文章をもって報告しなければならない。
(火災調査報告書の進捗状況の管理)
第72条 署長は、毎月の調査の進捗状況を消防長に報告しなければならない。
(火災調査報告書の作成指導)
第73条 火災調査報告書の作成について消防長が必要と認めた場合は、当該火災を担当する調査員に対して本部警防課長が指導することができる。
第6章 調査結果の活用
(調査結果の活用)
第75条 消防長及び署長は、調査結果から教訓及び問題点を抽出し、抽出された教訓を活かし問題点に対する対応を速やかに講じるなど消防行政に反映させなければならない。
2 本部警防課は、火災調査報告書の内容を確認するとともに調査結果を分析及び整理し、消防行政施策全般に活用できる資料を作成しなければならない。
3 本部警防課長は、火災調査報告書の内容が他の所属に必要な情報と認められる場合は、各課に供覧するものとする。
(類似火災に対する対応)
第76条 消防長又は署長は、火災の調査結果から製造物の欠陥等によって火災の発生が予測される場合その他必要と認めるときは、当該火災に係る資料の収集に努め、速やかに類似火災の防止に係る対応を図るものとする。
(広報)
第77条 消防長又は署長は、調査に関する町民、報道機関等への広報発表を行うときは、類似火災防止効果が上がるように配慮するものとする。
第7章 り災の証明
(り災の証明)
第78条 署長は、管轄区域内における火災のり災者からり災証明交付申請書(様式第37号。以下「申請書」という。)により願い出があったときは、り災の証明を行うことができる。
2 前項の証明は、証明する物件に応じ次に掲げるとおり区分する。
(1) り災証明 焼損又は水損等によるり災程度が確認し得たものについて、り災証明書(様式第38号)により行うもの
(2) り災届証明 客観的に火災でり災した事実が推測され、かつ、り災者が届出ている場合に、り災届証明書(様式第39号)により行うもの
3 第1項のり災の証明は、原則として現場見分が終了するまで行ってはならない。
4 震災時、通常の事務執行時と異なる特別な状況下で行うり災証明の発行については、別に定めるものとする。
2 前条の願い出があったときは、必要に応じり災証明書又はり災届証明書若しくは双方をそれぞれ正副作成し、申請書に副本を添付して決裁を受けた後、正本を申請者に交付するものとする。
第8章 震災時の火災調査
(震災に伴う火災の調査の原則)
第80条 署長は、消防計画に基づき地震対策本部が設置されている間(以下「震災時」という。)に発生した火災の調査に対し、組織的な執行体制の確立に努めるものとする。
2 震災に伴う火災の調査活動は、災害活動がおおむね終息するまでは情報収集及び火災状況の記録を主眼に行い、災害活動終息後はり災証明書発行のための損害状況調査を優先して実施するものとする。
3 震災に伴う火災の調査活動については、延焼拡大状況の調査等将来の行政施策等に反映させるための重点的な調査についても時機を失することなく実施するものとする。
(情報の早期収集)
第81条 消防長及び署長は、地震発生直後から災害状況の記録及び調査のための情報収集に努めなければならない。
(震災に伴う火災の指定)
第82条 消防長は、地震発生直後からの火災状況を勘案し、期間及び地域を限定して「震災に伴う火災」を指定するものとする。
2 署長は、震災に伴う火災の指定を受けた火災の調査については、延焼拡大状況及び損害状況調査等の記録に重点をおいた震災に伴う火災の調査活動を実施するものとする。
3 前項の震災に伴う火災の調査活動要領については、別に定めるものとする。
4 署長は、震災に伴う火災の調査書類は、別に定める基準及び作成要領によって添付書類の一部や記載内容の一部を省略し、作成することができる。ただし、震災時における地域住民等からの聞き込み調査にあっては震災聞き込み調査書(様式第41号)を用いるものとする。
(調査員等の確保)
第83条 消防長は、震災後の行政対応等を考慮し、震災に伴う火災の調査活動に必要な調査員及び調査資機材の確保に配慮するものとする。
(震災に伴う火災によるり災証明書の発行)
第84条 署長は、震災に伴う火災における火災被害の調査結果に基づき、管轄区域の区長と連携して迅速なり災証明書の発行に努めるものとする。
2 震災に伴う火災によるり災証明書の様式、発行要領及び火災被害の調査要領等については、別に定めるものとする。
第9章 雑則
(火災原因に関する照会)
第85条 消防長は、区域内で発生した火災において、火災原因その他の調査事項について、捜査機関、その他関係機関及び関係者から照会があったときは、その内容、目的、その他必要な理由について審査し、必要事項について回答することができる。その際、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)、紀美野町個人情報保護法施行条例(令和4年条例第24号)その他関係法令によるほか、別に定めるところにより対応するものとする。
(証人、参考人としての出廷等)
第86条 自己の担当した調査に関して捜査機関等から参考人として出頭を要請され、又は裁判所から証人等として呼出し又は召喚を受けた場合の手続き等については、紀美野町職員服務規程(昭和18年1月訓令第36号)による。
(火災原簿の作成)
第87条 署長は、当該火災の調査結果を火災報告オンラインシステムに入力後、調査結果に基づき速やかに火災原簿(様式第42号―様式第45号)を作成し保管しなければならない。
2 火災調査報告書の作成に伴い、火災原簿の記載内容に変更が生じた場合は、速やかに訂正しなければならない。
(調査研究会)
第88条 消防長又は署長は、調査上必要がある場合は調査研究会を開くものとする。
(調査研修)
第89条 消防長は、調査に関する研修等を計画的に実施し、随時、調査に関する研究を行い、教養資料を作成配布するとともに、現場調査時における火災原因究明の技術等実務指導や助言を行い、調査員の調査に関する知識や技術等の調査能力の向上に努めるものとする。
2 署長は、調査員の調査に関する知識や技術等の調査能力の向上のため、随時、調査に関する研修を実施し、自己啓発を促すものとする。
3 署長は、前項の研修を実施する場合、必要に応じて本部調査員等の派遣を依頼することができる。
4 署長は、調査に関する研修を実施したときは、消防長に報告するものとする。
(施行細目)
第90条 この訓令の実施に関して必要な事項は、消防長が別に定めるものとする。
附則
この訓令は、平成22年4月1日から施行する。
附則(平成23年11月24日消防本部訓令第1号)
この訓令は、平成23年12月1日から施行する。
附則(平成28年3月7日消防本部訓令第1号)
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和3年7月1日消防本部訓令第1号)
(施行期日)
1 この訓令は、令和3年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際現にあるこの訓令による改正前の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(令和5年2月6日消防本部訓令第1号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。