化学物質過敏症をご存じですか

更新日:2022年12月08日

化学物質過敏症とは、微量の化学物質であってもアレルギー様の反応が起こり、多様な症状を発症するものです。

化学物質はあらゆるものに含まれており、身近な洗剤や香料・添加物・塗料・建材などにも含まれているため、生活の中で避けがたいものです。

化学物質過敏症とは

化学物質過敏症という名が示すように、ごく少量の物質にでも過敏に反応する点でアレルギー疾患に似ています。

最初にある程度の量の物質に曝露されると、アレルギー疾患でいう「感作」と同じ様な状態になり、二度目に同じ物質に少量でも曝露されると過敏症状を来します。

(厚生労働省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」より抜粋)

原因となる物質

原則的には、アレルギー性疾患同様、その患者さんにとって合わないものであれば何でも原因物質になる可能性があります。

主に屋外:ディーゼル粉塵・排気ガス・除草剤・大気汚染物質・花粉・動物の毛・殺虫剤

主に屋内:建材・接着剤・ホルマリン・塗料・防ダニグッズ・防菌グッズ・食品・食品添加物・残留農薬・ガス排気・洗剤・洗浄剤・漂白剤・芳香剤・カビ・ダニ・ちり

症状

この疾患には、頭痛や全身倦怠感・不眠・便秘・動悸など特徴のない症状が多いです。

自律神経障害:発汗障害・手足の冷え・頭痛・易疲労性

精神障害:不眠・不安・うつ状態・不定愁訴

内耳障害:めまい・ふらつき・耳鳴り

眼科的障害:結膜の刺激症状・調節障害・視力障害

気道障害:咽頭痛・口渇

消化器障害:下痢・便秘・悪心

循環器障害:動悸・不整脈・循環障害

運動器障害:筋力低下・筋肉痛・関節痛・振せん

免疫障害:皮膚炎・喘息・自己免疫異常

周囲ができること

この病気は誰でもなりうるものと言われていますが、発症のメカニズムは解明されていないところがあり、周囲の認知度は低いのが現状です。

そのため、疾患の理解を深めていただき、この病気で苦しんでいる方への配慮をお願いします。

また、家庭内の安全確認からはじめ、地域の環境整備や地球規模での環境問題など、広い視野を持って環境についての問題を考えていきましょう。