高血圧について

高血圧とは、血管の内側にかかる圧力が正常より高く、その状態が慢性的に続くことをいいます。高血圧は、脳卒中、心筋梗塞、腎不全などの病気を発症・進展しやすくなります。早期発見・早期治療のために、毎年健診を受けることや、毎日測定・記録をして血圧を把握することが大切です。

収縮期血圧（上の血圧）

…心臓が収縮して血液を全身に送り出すときにかかる圧力

拡張期血圧（下の血圧）

…全身の血液が心臓に戻り心臓が拡張するときにかかる圧力

高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、血圧がかなり高くなると、頭痛、めまい、肩こりなどが起こりやすくなります。

2025年8月に日本高血圧学会（JSH)が「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を発表しました。

年齢や合併症の有無にかかわらず、すべての高血圧の方において、

診察室血圧：130/80mmHg未満

家庭血圧：125/75mmHg未満

を、降圧目標としましょう。

生活習慣病の修正により、高血圧の予防・改善ができます。

日本人は食塩摂取量が多いため、減塩による効果は大きいと考えられます。高血圧の人は、食塩摂取量が1日6g未満を目標としましょう。

肥満が原因となる病気は高血圧だけでなく糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肝障害、腎障害などがあります。肥満の有無は体格指数（BMI）で判断します。

肥満者はBMI25.0をめざしましょう。

少量の飲酒では血圧を一時的に低下させますが、長期間の飲酒は血圧を上昇させ、高血圧の原因となります。日常的に飲酒の習慣がある人も、「節度ある適度な飲酒」を心がけましょう。また、1週間の中でお酒を飲まない日を設け、肝臓を休めることも大切です。

高血圧の予防、治療では、ややきついと感じる程度の有酸素運動が推奨されています。毎日30分以上または週180分以上の運動が目安です。また、必要に応じて、レジスタンス運動やストレッチ運動を取り入れてみましょう。レジスタンス運動は筋力を維持するのに、ストレッチ運動は体の柔軟性を高めるのに効果的です。

『高血圧』ってどんな病気？ - 日本臨床内科医会